2008年2月28日木曜日

人を動かす。

眼科の研修もあっという間に終了。
とても勉強になりました。僕自身斜視をもっていますし、ERでは多くの眼疾患を見ます。命、手足、視力は絶対に救わなければいけないものですからね。とてもいい勉強になりました。働いた先生もいい人。まだレジデントを終えたばかりみたいだけど、結構できます。東欧系の美男子だけど、Laid backでとても気が合いました。ぼくのやろうとしている救急医とはかなり違うspecialistという道も面白いものです。眼の手術なんてほんとに繊細だからね。白内障とか。

さああと研修は2週間の放射線科のみ。もっとも楽なローテーションです。これからは卒業式の準備で忙しくなるのでいいタイミングです。もう卒業なんだね。いい病院で働けて幸せです。最初はやっていけるのだろうかという不安ばっかだったくせに、最後は少し飽きていました。今になるともうここに立ち入ることもできないというさみしさがあります。どこかでここで出会った人たとまた仕事をしたいものですね。

これからはイベント目白押しです。Okinawan American Physician Societyの立ち上げと、ぼくらの卒業パーティーです。どちらも僕が責任者ということになっています。とくに後者は150人も集めて、さらに劇みたいなこともしなければいけません。上手くリーダーできるでしょうか。。。少し不安です。どうしてもmicro managerみたいに小さいことにうるさくしちゃうんだよね。もっとみんなを信頼して、任せて、褒めてやらなきゃね。人を動かすことを勉強しなきゃ。

2008年2月24日日曜日

お見合いリスト提出

しました。今月末が提出です。マッチングという仕組みですが、まあお見合いです。

僕ら候補者と、レジデンシープログラム側の双方が、気に入った順にランクをつけて第三者機関に提出します。それからコンピュータープログラムにかけて、ぼくら候補者に有利にお見合いをさせていきます。今月末が提出期限。コンピューターは数秒でこの計算をするようですが、結果はもう3週間教えてもらえません。まんじりともしません。

僕のランキングは奥さんと話し合って決めました。アメリカは二人で行きますし、3から4年は住みますからね。彼女が楽しめないところ、勉強できないところでは難しいです。まずは住む場所重視、その次には僕のやりたい研究のできるところを考えています。

僕は幸運なことに21か所からの面接招待(80か所に応募)をもらえました。面接した16個のプログラムのうち15個をランクしました。残り一か所は行きたくありませんので、ランクにはのせません。もしランクに乗せて、こことマッチしたら行かなければいけなくなってしまうのです。それは避けたいからです。結婚したくない相手はランクに乗せないのです。

プログラム側も必死です。あっちには少し不利な制度なので、お見合いに水面下の駆け引きが始まります。みんな本命と結婚したいわけです。僕にも5-6個ほどのプログラムから、打診が来ています。内容もそれぞれで、なんとなくほのめかすものから、ストレートにうちに来てくれみたいなのもあります。どれくらい信じていいのかはわかりません。

臨床留学までの道もついに最終段階まで来ました。このランクづくりはストレスは少ないですが、とても大事。ランクの付け方で今後の数年間は決まってしまいます。基本的には自分の結婚したい相手を順にランク、どうしても嫌な相手はランクしないのが原則です。まあどこにいっても僕の人生そんなには変わらないとも思いますが。。。

僕のランクは以下の通り。
1st: Brigham & Women's/Massachusetts General, Boston (ボストンは僕らの住みたい町NO1)
2nd: Beth Israel Deaconess, Boston
3rd: Univ. of Pennsylvania, Philadelphia (研究の強い大学、美しいキャンパス)
4th: Mt. Sinai Medical Center, New York (奥さんは都会大好き、でも生活費が高すぎ)
5th: Mayo Clinic, Minnesota (ど田舎ですが、すばらしいスタッフでした)
6th: State Univ of New York Downstate, Brooklyn (すばらしいスタッフですが、周りは危険すぎ)
7th: Yale, Connecticut (有名大学で研究が強いですが、すこし田舎)
8th: Univ. of Maryland, Baltimore (すばらしいプログラム、でも危険)
9th: Thomas Jefferson, Philadelphia (プログラムは少し弱いですが、場所よし)
10th: Temple Univ., Philadelphia (危険な立地。だけに忙しくて鍛えられそう)
11th: Emory Univ., Atlanta (とても忙しくて有名な病院、でも経済的に不安定)
12th: Orlando Regional, Florida (南国だけにlaid back。住むには悪くない)
13th: Henry Ford Hospital, Detroit (救急では一流プログラム。でもデトロイト。。。)
14th: Indiana Univ. Indianapolis (とても仲の良いレジデント。でも田舎)
15th: Michigan State Univ., Grand Rapids (手堅いですが、ホッケー以外にやることありません)
Not ranked: Penn State Univ. (ここは唯一malignantと感じました。行く気はありません)

どうなることやら。

2008年2月21日木曜日

医者の性格

これが最後から二つめのローテーション。海軍での研修もあと3週間となりました。1年長かったような、あっという間のような。いろんな事を学びました。

そう眼科ローテーションです。学生時代を含めてこれが初めてです。2週間だけですが、救急でみる眼科疾患を中心に学んでます。眼科って面白い。体のほんとに小さな一部なんだけど、やっぱり大事な臓器。僕も小さなころから斜視をもっているので、とても興味深いです。手術もあるし、眼科医も悪くないなと思ってしまいます。ただアメリカは数少ない人しかなれない、めちゃめちゃcompetitiveな科です。

沖縄には1人だけ眼科医がいます。元アメリカ海軍のダイビング特殊部隊にいたという人です。めちゃめちゃ美男子で、頭もいい、しかも教育熱心。けっこうlaid backですが、こんな人もいるのですね。日本と同じで、アメリカの医者も科ごとに性格が違います(ステレオタイプですが平均値をとると)。反論あるでしょうが。。。

例えばうちの病院だと、
内科医ーいちいち細かい、なんか斜にかまえている。
外科医ーいい意味で豪快。でも基本的に自己中。
救急医ー30秒以上一つのことに集中できない。仕事以外の時間が大事。
家庭医ーとにかくいい人。
小児科ーノーマル
神経内科ーかわりもの
整形外科-骨筋肉以外はまったくわからない。
マイナー系(眼科、放射線科、耳鼻科)ー奥さんが美人。

やっぱり僕は救急医かなと思います。

2008年2月14日木曜日

悲しいニュース

もあります。

皆さんもご存じかと思いますが、沖縄でまた悲しいニュースがおきました。
海兵隊員が沖縄の中学生を暴行して逮捕されました。

こんなやつはとってもじゃないけど許せないよね。
ただ同時に、一緒に働いたり患者さんとして対面している米国軍人、海兵隊員に僕は暖かい気持ちを持っています。若いだけにいろんな奴がいますが、でも基本的にはいい奴で、日本が好きで、礼儀正しい人たちです。でもこんなことがあると、すべてが台無しです。

この事件は再度、沖縄の一部でくすぶっている対米感情を燃え上がらせるでしょう。悲しいことです。
僕は日本人インターンとして基地の中で働いているので、いつも日米の間に立って、上手く間を取り持つことを仕事にしています。時に間に挟まれて苦しい立場ですが、ある意味外交官だと思います。小さな小さな日米の懸け橋だという自負もあるのです。どちらの国の人も好きなので、いい関係を築く手伝いをしたいといつも考えています。基地の中の米国軍人も多くは、日本をHost nationと考え、いい関係を作りたいと考えているんですよ。

今僕はDr. Mと仲間のインターンと、沖縄・アメリカ医師ソサエティというものを立ち上げようとしています。来月が第一回となります。ある意味悪いタイミング、でもいいタイミングにしたいと思います。少なくても医師だけの間でも関係を保ちたいですね。それは患者さんのためにもなりますから。

速報

たった今、いいニュースが来ました。今、興奮しています。

僕が第4志望にいれようと考えていたプログラムから、matchするポジションに入れようかと考えているというメールが僕のmentorに届いたようです。Mentorに僕がどんな人間かを最終的に確認したいみたいです。

ここは面接大失敗したと考えていましたので、ほぼあきらめていました。フィラデルフィアにあるペンシルヴァニア大学のプログラムです。ビジネススクールが有名ですよね。アイビーリーグの大学で研究は強いですが、臨床のトレーニングでは弱い印象です。ただ僕の重視するのは場所(美しい大学町にあります)>>研究の強さ>僕の未来との関連性なので、ここは高い位置にランクしています。

他にはメイヨークリニック、ニューヨーク州立大学、ミシガン州立大学からいい感触がきています。(どこまで本当なのかはわかりません)これがマッチング前の水面下の交渉なのでしょう。マッチングというお見合いプログラムは、僕ら候補者が行きたいところ(僕らに有利)に相手が望む限りは行くことができます。プログラム側は受け身なんですね。だからこんな交渉が行われるようです。

本当にこんなことをどこまで信じていいのかはわかりませんが、ここに行くことができれば夢のようです。できれば第1志望のBostonに行けることを願っていますが、来年渡米はまず間違いないようです(いつまでも楽観的です)。3月21日、僕の卒業パーティーの日に結果がでます。

でもどこに行ってもベストを尽くして、楽しむだけですね。良心に従って楽しむだけです。

2008年2月11日月曜日

立ち上げとパーティー

帰国後はなんとなく日が過ぎてしまいます。
こんなところで働くのは面白いことなのですが、人間なんにでも慣れますね。

最近は集中治療のローテーション。基地の中には若い健康なひとしか基本的にはいないので、あまり忙しくはありません。変人で敵も多い、ある意味名物なDr.Mと働いています。偉くて忙しい人なのであまり一緒にはいませんが、なぜか仲良しです。

彼と一緒に、インターンの仲間とともにOkinawan American Physician Societyというものを立ち上げようといま努力中です。沖縄の病院の先生と海軍のDrとの定期的な会合をつくって、交流、学会、教育などをもっと活発にしていこうというものです。政治的ないろいろな思惑も交じってきますので、すこし大人なことを勉強しています。まあこれも将来の日本人インターンと、大きく言えば日米友好に役に立つはずなので一生懸命やっています。個人的にはDr.Mが好きですし、彼は僕をここに入れてくれた恩人なので、恩返しの意味もあります。

さあ卒業式まで40日ほどです。はやく卒業したいような、このちやほやされる環境にいたいような。ただし卒業式・パーティーはこの一年で最大のイベントとなります。150人くらい集めるパーティーです。その目玉はインターンによるスキット。アメリカのレジデントの卒業式の定番のようです。劇みたいなのをやって指導医をこき落とすものです。下ネタははずれがないようです。あとはタブー(人種、政治、宗教)には気をつけなきゃいけないみたいです。これも楽しんでいきたいですね。

2008年2月4日月曜日

おめでとう。

僕の同期がまたひとりプレマッチしました!やったー!
いわゆる青田買いです。マッチングプログラム(第三者、まあお見合い斡旋みたいなもの)を通さずに、お見合いで気に入った者同士で結婚するようなものです。

アメリカの外科レジデンシーです。非常に入るのが難しく彼も大苦戦していただけに、本当におめでとうです。でも彼は人柄も素晴らしく、努力家で、受け入れられて当然です。彼でなくて誰をとるのでしょうか。僕もとてもうれしいです。これは彼にとってのスタートですが、科は違うとはいえ、これからも一緒に頑張っていきたいものです。

さあ、今季マッチングを目指していた同期3人。二人はプレマッチしました。残りは僕だけです。まあプレマッチしなくてもいいですが、望み通りのところに行けることを祈っています。きっとどこかには行けるとは思いますが、救急も人気だけに行きたい所に行けるかは全くわかりません。

結果が出るまであと6週間。できることは待つことくらいですね。まあ今の仕事に集中して、英語とさらなる勉強です。一生懸命やっていれば、なにはともあれ、結果はついてくるはずです。

とにかく、おめでとう!!

2008年2月3日日曜日

お見合い

帰ってきました。
たまっていた4週間分の仕事と時差ボケで忙しく、調子もいまひとつでした。
週末は休みをもらえたので、すこしゆっくり。
月曜日からが3時起床の生活となるでしょうから、それにあわせなきゃ。

ランキングの季節となりました。僕の長い渡米計画も最終章に入りました。
プログラム側も候補者に順位をつけると同時に、僕らも受けたプログラムに順位をつけて第三者機関に提出、双方をコンピュータープログラムにかけてうまく処理。まあお見合いみたいなものです。出た結果には従わなきゃいけないのです。
とどのつまりは誰と結婚するのかお互い順位をつけるということです。決まったら結婚しなきゃいけないのです。

というわけで締め切りまでの4週間、この子よりあの子が育ちがいいとか、第一印象がいいとか、金を持ってる、いいとこ住んでるとか、あーでもないこーでもないと考えます。
まあ僕の評価基準は場所>>第一印象>研究の強さという感じです。
だいたいTOP3くらい、下の2位くらいは決まっていますが、中間や8位争いなんかはとっても難しい。はっきり確信できるわけはなさそうですね。まあどこにいっても大きな違いはないのかもしれません。

それからTOP3くらいには、うちのボスたちに電話をかけて売り込んでもらっています。どれくらい効果があるか、(または逆効果?)わかりませんが、やってくれるというので喜んでお願いしています。Bostonに住みたいな。

海軍病院もあと6週間。目玉は来週からの集中治療ローテーション。きつそうですが、一生懸命楽しもう。あとは卒業式に向けての準備です。