2008年6月27日金曜日

最後の休日。Pain is inevitable. Suffering is optional. そして岡本太郎

さあ、明日から4年間の研修がはじまります。研修医の生活をまたゼロから始めます。眠く、つらく、でもとっても成長する4年間になるでしょう。


今日は最後の休日をもらいました。明日からに備えてじたばたしながら、休んでいます。好きではない(救急の研修医はみんな内科が嫌い。)内科のしかも当直スタートということで不安が強いですが、どんと来いという気持ちもあります。ここでいつもながら、書きながら自分の気持ちの整理をしたいなと思います。


ついに夢がかなったんだもんね。医学部に入ったときには(そのころ僕は英語は全くだめだった)、遠い遠い夢だった。現実感が無さすぎてただの憧れだったよね。それから大学4年最終学年になって、学生生活をだらだら過ごしている自分が嫌になって、そこで岡本太郎の本に出会い、すこし人生が変わりました。つねに人生を燃やす、危険な方に賭ける、のです。そして留学に向けて勉強を始めました。そしてさらなる失敗をたくさんして、紆余曲折、卒後5年目でアメリカの病棟にたつことができます。たくさんの人に迷惑もかけ、援助をしてもらい、すばらしい出会いもありました。ここまで来れたことは、本当に感謝しなきゃいけないよね。


長い長い4年になるでしょう。でもやることはその日一日だけに集中すること。走ることと同じように。遠くの上り坂のその先をみるのではなく、一歩一歩のストロークに集中して。そういえば村上春樹の本にこんな言葉がありました。Pain is inevitable, suffering is optional. マラソンについての言葉ですが、これからの研修生活も同じでしょう。絶対に肉体/精神的に厳しく、睡眠不足でしょう、それは避けられない。でもそれをどう受け止めるか、苦しくて走るのをやめてしまうかは自分次第。。そうとってもつらいかもしれない、でも死なないで、とにかく走りきりたいなと思う。


最後に岡本太郎の言葉で。僕に最も足りないもの。すぐに他人と自分を比較してしまう。そうじゃなく、深山を両翼を広げて孤独に飛翔する鷲のようになりたい。
「人生は、他人を打ち負かすなんてケチくさい卑小なものじゃない。いちばん大切なのは、自分自身に打ち勝って、自分の生きがいを貫くこと、これがいちばん美しいことなんだよ」


2008年6月23日月曜日

ガスを抜く

ひさしぶりにこっちの日記を書こうと思います。新しい日記はすこしオフィシャルな感じで研修についての真面目なことを(書けていないけど)、こっちは、自分の感情を整理するために、書く、というのが目的なのです。


ボストンに来てはや3週間。オリエンテーションもはじまり、14人の同期にもあい、毎日のオリエンに飽き、歓迎会にすこし疲れてきてます。僕は比較的長く一人の時間が必要なので、こういう生活は疲れてしまいます。まあだれでも入りたてはそうだよね。


そして今週金曜日からは、ついに3回目の研修医生活が始まります。それも異国の地で。。。去年までもアメリカの病院だったけど、あっちはすこし甘かったし、同期は日本人だったからね。もう言い訳はできません。毎日おなかが痛くなる日々です。


いろいろな不安があり、恐怖を感じ、ストレスとなっているようです。
1、なによりも言葉の不安。もともと人見知りでだし、社交的ではない自分。ましてや母国語ではないので、より腰が引けてしまいます。病棟に出てからも、患者さんとはokayだと思うけど、医者どうしでミスコミニケーションがあったらと、怖くなってしまいます。
→ まあ考えすぎてもしょうがないよね。失敗は成功の母だし、全く英語がだめだった僕がここまで来れたんだから、まだ行ける気がする。すでにまあまあしゃべれるし、我慢してかつ積極的でいれば、もっと伸びるよね。そして、自分のことばかり考えないこと。30にもなって情けないですが、まだ自分のことばかり考えてしまいます。同期はどう思っているだろうとか、英語がだめだと思われていないかとか、つまらないことばかり。そんなことより周りに意識を向けて、働きかけないとね。そうすれば恐怖もとれるはず。


2、始まる研修医生活。また1年目のヒヨッコからです。日本のそれも厳しかったですが、こちらももちろん厳しいようです。心身ともに疲労し、アメリカ人でさえ一回は泣くようですから、僕も必ずやおちこむでしょう。でもそんなものだと思わなければね。あまり期待はせずに、でも楽しんで(寝れないことも、朝早く起きることも)、そして困難は乗り越えなければいけないことを肝に銘じて、一日その日だけをみて働きたいですね。


去年も沖縄生活がはじまった時は、自分がそこで英語を使って働いて、卒業することなど想像ができませんでした。でもできたんだよね。それも楽しく。これは周りの人々に非常に恵まれたことが大きかったでしたが、自分の気持ちをとにかく前向きに積極的にできたことが良かったんだとおもいます。こっちでも格好つけずに、どんどんチャレンジしていきたいと思います。


張りつめた日々ですが、書くこと/走ることでガス抜きです。


2008年6月11日水曜日

ボストン、韓国、レバノン

ボストン生活はじめました。

すでに6日ほど経ち、やっと時差ぼけも抜けてです。
新しい生活を立ち上げなければいけませんので、事務仕事が大嫌いな僕もぶーぶーいいながら妻とやってます。

早速車が決まりました。メーリングリスト(ボストン在住の研究者の)を通じて、韓国からの大学院生からJeepを買うことにしました。結構安く買えたし、いい人だったし、今のところは満足!これから保険、ナンバープレートなどなどしなくてはね。

そして家もやっと決まりました。これはレッドソックスの本拠地Fenwayにある蔦のからまった雰囲気のあるアパートメントです。大家さん(レバノン系アメリカ人)が僕らを気に入ったらしく、僕らも家を気に入り、早速決めてしまいました。これもボストンにしては安くいったと思います。というか、ボストンの家賃は東京都心並みに高い!!

ボストンが国際的な街だとほんとに感じます。どこの馬の骨かもわからない外人同士でどんどん個人売買が進んでいきます。面白いよね!

さあ、来週からオリエンテーションが始まります。今週が最後のお休み。ボストンはCelticsがNBA Finalまでいってもり合ってますが、僕らはRed Soxを応援しにいってきます。

2008年6月3日火曜日

出国前夜

海軍病院を卒業してから2ヶ月。いつもいつもあっという間でした。
これといったことはせず、友人に会ったり、家族と犬とゆっくりとした時間をすごせてよかったと思っています。試験勉強は間に合わずに、3ヶ月伸ばすことにしました。研修医1年めにうけるという無謀な挑戦をする羽目になりました。。。


さあ明日、日本を発つこととなりました。海外に住むこと、働くことは初めてです。沖縄に行くときもそうでしたが、大きな不安のなかにいます。

①外国で生活すること自体への不安:native languageでない環境で、異文化に住むという体験。家を探し、家財道具を揃え、車を買い、銀行口座を開くなどなど(日本でだって苦手なことばかり)。僕も変化に心をときめかせるくせに、近くに来ると腰が引けてしますのです。もちろんうまくいかないことだらけでしょう。たまに上手くいく程度だと思って、妻と力を合わせて楽しもうかと思います。これも素晴らしい体験です。

②新しい病院:また研修医1年めからです。ピラミッド構造の最下層、外国人は僕だけ。シチュエーションは完璧です。システム、言葉など慣れないことばかりでしょう。しかし、臨床で留学した先人たちが通った道だよね。それに、ずーとやりたかったことをついにかなえたのですから、素晴らしいことなのです。いっぱい失敗して、まだ見ぬ同期15人で力を合わせて、素晴らしい4年間にしたいと思います。comfort zoneから出て、背伸びをして、そうすると成長するしね。今年は欲張らずに、首にならないこと、健康であること、目の前にあることを一つ一つ丁寧にやることを目標にします。


親友と握手、家族と挨拶、仏壇に報告、携帯は解約、家の片付け、荷物のpackingと自分を少しずつ身軽にして、しばらく帰ってこないんだなと実感がでてきました。昨夜は横浜の花火大会で、あまりきれいなので、とても感動してしまいました。感傷的になっています。

この個人的な日記は引き続き書こうと思います。また別に少し仕事っぽいやつも始めようかと思います。すこし野心をこめてです。
http://d.hatena.ne.jp/KoheiHasegawaMD/

とにかく行ってきます。